「ごめん、驚かせちゃったね」


そう言って植え込みから表れたのは、見知らぬ男の子だった。


「……えーっと」


なにか話そうと思っても、普段ほとんど春華としか喋らない私には対人スキルがない。


加えて春華といる時も私から話題を振ることは滅多にない。


「とりあえず、はじめまして、ですよね……?」


「そんな固くならなくていいのに。」


彼は、そう言って笑った。