さっきから目を開けて良いとの指示がない。



なぜだ…?



もう良いのかな?


駄目なのかな?



触れられている感じはしない。

もしかして私放置されてる…?


そ、そんなぁ?!


ええーい!


いいよね。


開けちゃえ!!



パチッ。




「…っ?!」




声にならない声が私の中で響き渡る。




目の前には渡くんの顔があって、私の胸の鼓動は純情じゃないくらいに加速していた。



ち、近い…。


これじゃあキスできちゃう距離だよ……。




パッと顔を離され、少し距離をとられる。




「あ…わりぃ…。取れたよ……。」




「…………?」



心なしか渡くんの顔が赤いのは、気のせいだろうか?





…………も、もしかして…



き、き、き、



せっぷんとやらをしようとしてくれていたんじゃ……




って、なわけないか………。




「……あ…危なかった……。」




「え?」



「あ、いや…こっちの話し………。」



そう言ってパッと私から視線を外す渡くん。




はぁ…


やっぱりしたいと思ってるのは…



私だけかな……?







         END








(やっぱりしたいと思ってるのは…


俺だけかな………?)




なんて互いに思い合っている2人でした。