君の隣

キーンコーンカーンコーン

授業の始まりを示すチャイムが鳴りクラスの皆が着席した。

先生が点呼を始めた。

「アイカワ サキ」 「はい」
「ウエタニアイコ」 「はい」

次、私の番だ……
「華山 笑姫」 「あ、は、はい」

名前に[姫]って漢字が入るだけで上品なイメージだが実際は結構やんちゃだと思う。

クラスの皆は普通に「えひめって名前可愛いよね!」とか言ってくれるけど私の隣の席の男の子…そう、私の運命の人[渋谷 悠]は何と会ったばかりの私に

「 華山?綺麗な苗字やね、それに、えひめって名前もそこそこないで?めっちゃええ名前やんか!でも、顔がいまいちやわ」

と、私の心をズタズタにした。
それでも、初めて喋ったのにスキという気持ちを抱いた

その時は、身体に電気が走ったかのようにビリビリした。
胸のドキドキも抑えられないほど激しかった。

それでも、顔がいまいちと言われた私は

「あのね~初対面でブスはないでしょ!いくら可愛い名前だからって顔と比べないでよ………」

と言い返した。

渋谷は鼻でフッと笑った
何がおかしかったのだろう?
私は当たり前の事しか言ってない気がする

「アホかいな?誰も、ブスとは言うてへん!いまいちって言うたんや!まぁ、名前さえ可愛ければ顔なんてどうにでも出来るさかいなぁ。」

「あ、俺。渋谷 悠 ってゆうねん。 大阪から来たよそ者やけどよろしくたのんますな!」

自己紹介をされた。
そっか。関西弁なのは引っ越して来たからなんだ。そっか……私…渋谷の事1つ知ることができたんだ……♡

「私…華山! 華山 笑姫。 えひめって呼んでくれたらいいよ!」


あの時は、本当に嬉しかった。
ただ、この人の近くにいたい。
この人と一緒にいてたい。

色んな思いが心に詰まっていた