咲奈と幹太は当然のように手を繋いで話している。

いいなー。私もあんな風に素直になれたら。

そう思いながら行きの電車に乗った。
 
電車の中は思っていた以上に混んでいて、お互いが密着するほどだった。


なにこれ。めっちゃ恥ずかしい…。

私と彼は咲奈と幹太とはだいぶ離れてしまって、今は彼と…いや、彼の腕の中にいた。

これって世に言う…壁ドン…ってやつですか…?

しかもかなり混んでいるせいかかなりの密着度。

すごくいい匂いがする…。

「ご、ごめんね?こんなにくっついて…。」
私は少し動揺してなんか申し訳なくて謝っていた。

「いいよ、別に。大丈夫だから。」
彼はやさしく言うけど…私が大丈夫じゃない。

手だって繋いでないのに壁ドンですか…!!

レベル高すぎ…!!

心臓の音がうるさい…。