「ねえ…」

彼が急に私の方に来て傾いた観覧車に立っていた私はバランスを崩して座ってしまった。

ぎゅっと目をつぶるー。

そして恐る恐る開けると彼の顔が斜め上すぐそばにあった。両端を彼の手で塞いでいる。これ、朝と同じ…壁ドンじゃん。


ち、近い…。

思わず下を向くけど

「こっち、向いてよ」

彼の切なくて優しい声に彼の顔を見る。

彼の顔が赤い。きっと私も赤い。


お互いがお互いを意識しあってたその時、

「はーい!お疲れ様でしたー♪」
という声が聞こえ、すぐに離れる2人。すぐに降りる2人。

き、緊張したあー!!私今絶対顔赤い!

それは彼も同じらしく、耳が赤かった。…可愛い。

今、彼は私に背中を向けている。

チャンス!と思って、彼の手をとる。

彼はびっくりしていた。けどぎゅっと握り返してくれた。