午後9時。

「ただいま」

疲れた声で、オオカミさんが帰宅する。

会社の近く、通勤に便利なマンションが新生活の拠点だった。

「お、おかえりなさい、ア・ナ・タ♥」

作戦その1。

私は羞恥を堪え、玄関先までダッシュして、彼の首元に抱きついた。

「ばっ、何やってんだよっ」

彼は頬を赤くして、小柄な私の身体を持ち上げ離した。


「お、オマエ…一体なんて格好しているんだ…」

作戦その2。

 露出度を上げ、セクシーに。
 流石にハダカは無理なので、なるべく胸の開いた服に、生足ミニスカートに、友人の悪意のプレゼント、フリルのエプロンで、お出迎えを行ったのだが…

「まさか、そんな格好で外に出てないだろうな?」
「え、買い物くらいは行きましたけど?」

「だ、ダメ!ちゃんとした格好で出掛けなさいっ!」

 逆に叱られてしまった。
 彼は身なりに厳しいようだ。



作戦その3。

「オオカミさん、お背中、お流ししますっ」
「要らんっ」


作戦その4。
 
「オオカミさん…」
ベッドイン後、悩ましげな声色で彼の懐へ…。

「………」