【⑤おまけ】オオカミさんの新婚事情 上司とイキナリ結婚したら。

 (うう…)

 時刻は日付が変わって未明の3時。

 経験を積んだ巧緻な愛撫に幾度も責められ、何度もイかされた。

(…イくというのは、ああいうものなのか)

 その上、私の記憶が確かならば、恥ずかしい事に2回くらいは注がれてしまった気がする。

 ぐったりと力尽き、気怠い身体を、毛布を掛ける元気もなく、いつの間移動したのか、素裸のままに、ベッドに俯せる。

 チラと隣で、半身を起こしている彼の様子を伺う。

 きっとメンソールの煙草でもくわえて、したり顔で私を見下しているんだろう…。

 目が合った。

 「?」

 意外にも、彼は半ば放心したように、不思議そうに私を見つめた。

「…お前…、どんな魔法を使ったんだ?」

「…マホー?」

掠れた声で、聞き返す。

「…こんなのは、初めてだ。…つい…」

彼は自失している。


…ああなんだ、そんなこと。