この世は、つまらない。
嘘で溢れかえっているこの世界は、くだらない事で喧嘩し、涙し、笑う。
何がそんなに怒れるんだ。何がそんなに悲しいのだ。何がそんなにおもしろい。
この世は、腐っている。
まだ、何も知らない子供達は、腐っている親に育てられ、いずれ自分も腐っていく。
そんな未来、誰が想像できるというのか。
皆、自分が将来こうなりたい。こうなっていて欲しい。そんな夢や希望に満ち満ちている。
ほんとに
くだらない。


人がたくさん行き交う交差点。
少女が一人、交差点の真ん中でイヤホンをしながらただひたすら空を見ていた。
髪を上にくくりあげ、前髪は左側に流しているその少女は、空からゆっくりと顔を下げ、前を見据える。
そんな少女を気にする者はいない。
少女は不気味に微笑み歩き出した。