いちごキャンディ


「…ふふ、顔真っ赤…可愛い」

優しいながらも悪戯っぽい笑みを浮かべて、抱き寄せたまま至近距離で私を見つめてくる。

「えっ!?み、み見ないでください…っ!」

咄嗟に手を顔に当てて隠そうとすると、自分の顔の熱さに驚いて恥ずかしくなってしまう。

(わ、私こんな顔で……!?)

そんな事を考えていると更に顔が火照ってしまい、見事なまでに悪循環だった。

「えぇ、いいじゃない…駄目?」

「だ、だって…恥ずかしい…っ」

「こんな可愛いのに…勿体無いじゃない、見せないなんて…ね?」

耳元で甘く囁かれたかと思うと、顔と同様に真っ赤になっているだろう私の耳へ、先輩は小さく口をつけた。

「ひゃ!?」

驚いて大きく肩を揺らし手を退かしてしまう。

顔を覆う手が無くなり目が見えるようになると、そこには、悪戯っぽい顔で笑う先輩がいた。