「…折角、勘違いしないように、してたのに…何その顔…OKですって言ってるようにしか見えないんだけど…」 (…わ、私、先輩に、…抱き寄せられてる…?) いつもの優しい声が、今までに無いくらい、耳のすぐ近くで聞こえる。 頭と背中に回された手も、私より大きい身長も…先輩が男の人なんだと言う事を改めて思い知らされ、余計に動揺してしまう。 (心臓が…潰れそう…) 考えないようにしていた自分の鼓動の速さにも気づいてしまう。 きっと私は涙目になっている。だけど…。