「…大好きです」
思わず笑顔になり、お礼を言おうとした…のに…。
「え…」
(っ!?…い、いいい今私何を!?)
「…今のって…」
「…う、ぁ…ち、ちち違くて…!」
「良かったぁ!そのいちごキャンディ美味しいもんねぇ」
笑顔で先輩にそんな事を言われてしまい、更に追い打ちをかけられる。
(違う…言わなきゃ…言わなきゃ、駄目だ!)
「そうじゃなくて…っ!」
「え…違うの…?美味しくなかった…?」
先輩は見てわかる程にしゅんとしてしまい、失礼ながら、可愛いなどと思ってしまった。
「美味しかったですけど!そうじゃなくて…その…」
「…うん?」
「……大好きなのは、飴じゃ、なくて…」
(…顔、見れない…私、きっと酷い顔してる…。言葉が…出ない…どうしよう…きっと先輩だって困って…)
「…っ、もう…!」
言葉が出なくてまた泣きそうになり、謝ろうと先輩の顔を見る…その瞬間。
不意に抱き寄せられて、時が止まった様な錯覚を覚える。
