「ん、これあげるから、元気出して?」

先輩の優しい声が聞こえると同時に、口の中に甘い味が広がる。

「…いちご…キャンディ…?」

「うん、そうだよー、君、大好きでしょう?僕のせいで泣かせちゃったから…少しでも笑顔になって欲しいなぁって…思ったんだけど…駄目、だったかなぁ?」

少し困った顔で笑いながら、先輩は私の顔を見る。

口の中で甘い飴をころん、と転がす。

悲しい時や落ち込んでる時、先輩はいつも励ましてくれて、この飴を私にくれていた。
だからこの飴は、私にとってとても大切な笑顔の源となっていた。