「……天ちゃん」 「青山くん、焼きそば買いに行こう」 正面から歩いてくるはるくんを見たくなくて、わたしは必死に目をそらした。 すれ違う瞬間 「晴」 「ん?なに?」 返事をしたはるくんの声が聞いたことがないほど優しいものだったから 「っ」 思わず泣きそうになった。 二人の一緒にいる姿を見たくないから目を逸らしたのに、後ろを振り返ったわたしは本物のバカなんだろう。 ―――お似合い。 その言葉しか見つからないような二人の姿は、わたしを余計苦しめた。