彼氏の方が友梨香に駅でひとめぼれをして、最近付き合い始めた。


そんな、漫画みたいなことあるんだって友梨香の話を聞いて思ったんだよね。


って、わたしとはるくんのことも十分漫画みたいなことかな……。


「あのさ、わたしは天の気持ちを完全には分かってあげることできないけど…、女子に何か言われたりやられたりしたらちゃんと言うんだよ」


友梨香には、はるくんと別れた理由も、青山くんと付き合った理由も全部話した。



『日向くんのこと好きなら、天から手を放す必要ないように思える。それに、青山くんと付き合ったら、日向くんのことが好きっていう天自身の気持ちを否定することになっちゃうんだよ。それでもいいの?』


友梨香はわたしを一つも責めることなく、ただわたしの気持ちだけを心配してくれた。


……本当に良い友達を持ちました。



「ありがとう、友梨香。

友梨香の彼氏に会うの初めてだから楽しみ」


「え?紹介しないよ。恥ずかしいもん」


「人の恋バナさんざん聞く癖に自分のことは全然離してくれないよね」


「あ、そろそろ準備しないと。始まるよ」


分かりやすすぎるスルーをした友梨香。