放課後、いつものようにはるくんの教室にダッシュで迎えに行き、はるくんの後ろをついていく。
道路に出て、歩いているはるくんの隣に遠慮気味に並び、赤点を取ったことと数学を教えて欲しいことを伝えるとさっきの言葉です。
「そこをなんとか……!お願いします」
「無理。しつこい」
「………」
しつこいなんて言われたら、何も言えなくなる。
はるくんに嫌われることを何よりも怖がるわたしにとって、今のことはるくんの不機嫌さは恐怖でしかない。
「ごめんね……」
「………」
もちろんはるくんからの返事はなく、歩く速度を落とすわたしと比例するかのように速度を上げるはるくん。
その距離はどんどん開くばかりで、とうとうはるくんの後ろ姿も見えなくなってしまった。

