【晴 Side】



「はーるーくん!帰りましょう」



放課後、俺のクラスのSHLが終わった瞬間に教室のドアを開けて笑顔を見せる彼女。


天とちゃんと付き合い始めて一か月と少し。


毎日変わらず迎えに来てくれる。


「あのさ、俺だけかな……。瀬名からお前に向かってハートが飛んでるように見える」


隣の席の宮下は、目を擦りながら天を見る。


「俺も見えるわ。晴へのハートが……」


気が付けば俺の席の周りのやつらがみんな頷きながら天を見てた。


「……そんなの見えるわけねーだろ」


なんて言いながら、天のもとへ向かう俺だけど


「はるくん!」


……俺にもそのハートが見えたりするなんてこと絶対言わない。