確かに言うつもりだった。


伝えるつもりだった。



伝えるつもりのなかったこの想いを、ちゃんと伝えて終わらせるつもりだったのに……!



そんなのってないよ。


「……待てよっ!」


え?は、はるくんの声!?



追ってきてますよね、これ。


うそうそうそだ!


はるくんがわたしを追いかけてくるなんて嘘だ。



「何で逃げてんの?」


「……お、追わないでくださいっ!」


どんどん大きくなるはるくんの声のボリューム。

その距離はだいぶ近くなってることを示している。