「はるくん、教えてくれないんです。ばっちり昨日、断られました。だから、嫌々先生の所に来たんじゃないですかー!はるくんが教えてくれるならこんな所来てません!」
「……お前、さっきから俺に対して失礼なんだよ。他に俺に用事ある生徒だって先生だっているし、ここは職員室ってこと分かってるか?」
「分かってるけど…、今頼りに出来るのは先生しかいないの!独身で彼女もいなくて、寂しい先生しか!」
わたしも似たようなものだ。
彼氏と呼んでもいいのかあやふやな存在のはるくん。
寂しい人だ、わたしも。
「はぁ……、もうツッコミを入れる気力さえねーよ。1から教えていくからしっかり聞いとけ」
「ついでに追試で出す問題も教えてくれていいですよ」
それしてくれれば、答え暗記していくから合格間違いましだね!
「次アホなこと言ったら、教えんからな」
そ、それだけは困る!
先生に見捨てられ、はるくんに見捨てられ、友梨香にも見捨てられたらわたしには頼る人がいよいよ居なくなってしまう。

