「違うよ、わたしが悪い…から」


だから、はるくんはそんな顔しなくていいんだよ。


「もしかしてここまで運んでくれましたか?」


「うん」


「ありがとう。ごめんね、2回目だ」


球技大会の日もはるくんは倒れたわたしを運んでくれた。


「日向くん、わたし大丈夫…」


「何が?」


「えっ」


「何が大丈夫なの?怪我してんのに、大丈夫ってなに?」


なんではるくんが怒るの……?


「大丈夫だもん。本当に。怪我だって全然痛くない」


「じゃあ、なんでお前はそんな泣きそうなの?」


泣きそうなのは、はるくんが心配してくれてることが伝わるから。


最低なことをしたわたしのことをまだ心配してくれるから。


だから嬉しくて、泣きそうなんだよ。



はるくんの優しさが嬉しいんだ―――…