「私1人で行ったらダメなの?」

「…もしかしてユカリ、
自分の大学のテニサー情報知らない?」






-----で、現在。


テニスサークルでの新歓の出席について
2人で議論中。

私は圭斗がどうして行くのに反対しているのか
サッパリ分からず疑問を顔に浮かべていた。





(テニスサークルの情報…??)







「うん、知らない…。」

「だろうと思った。
…本当にすげぇ心配だわ、これから。」






そう言いながら1人で苦笑いを浮かべながら
はぁ…とため息をつく圭斗。


うぅ、そんな呆れなくても…。








「そのテニサーの新歓、
新1年生が毎年 お持ち帰りされる事件が多発してんだよ。」

「………え…。」






お、お持ち帰り…って…





と私が圭斗の言葉に
顔を引きつらせると

圭斗は私に近づいて来て



正面から私の両肩に腕を乗せて
私と視線を合わせるように腰を屈める。




(-----っ、ち、近い…!!)





その距離に
私は心臓をドキドキ鳴らせながら
顔に熱を集め始める。







「け、圭斗…っ?」

「…ユカリ、俺以外の男にこんなことされて 耐えられんの?」






-----ドキッ!




圭斗の顔が耳元にやってきて

色っぽい声で
そう囁かれる。


その仕草に
私は体がゾクッとするような感覚がした。







「い、いいえ…!」

「そんなこと言っても
…ユカリはチカラ弱いから
もしかするとこんなこととか無理矢理…」





-----チゥッ…






(んっ…!!)






そう言って次は
圭斗の口元が耳に触れて

そのまま優しく吸うように---口付けられる。





-----ビクッ!







「っ…け、圭斗やめ…!」

「危なさ伝わった?」

「つ、伝わった伝わった!!
伝わったから…っ!」







そう私が必死に言うと
圭斗は最後に

カプッ…と耳朶を甘噛みすると

悪戯っ子のような笑みを浮かべて
私に向き直る。





(っ…圭斗の意地悪…。)






私の弱いところを
わざと攻めてきた彼に

私は顔を赤くしながらも
うぅ…と睨むように彼を見上げる。







「…ん?何?
もっとやってくれって?」

「なっ…ち、違う!!」






私の気持ちを分かりつつ
またこうやって意地悪を言って

からかってくる彼。





結婚してからも
彼には変わらず敵いません---。