ある日放課後に下駄箱で待ち伏せされて
空手部の部室まで連れて行かれた。





空手部数人と

大将のあいつが1人。







いきなり殴られて
ついカッとなった俺は



あいつが大会を控えてるなんて知らず



本気になって
全員を殴り倒していた。










「それで…最後にそいつのこと殴った時に
そいつが足元にあった物に引っかかって
足怪我したんだよ。」










それがきっかけで
最後の大会出場は出来ず───。








その原因は俺にあるって
他の部員が先生に告げ口して




俺は停学処分を受けた。










「……そういうことだったんだ…。」

「……幻滅しただろ?」









喧嘩を買っては停学受けて…
自業自得の毎日。






俺がユカリにそう尋ねると


ユカリは首を横に振って
こちらを見た。






俺は少し驚いて
ユカリに目を向けた。









「話してくれてありがとう。
ちゃんと理由があったって知れて…本当に良かった。
幻滅なんて、そんなことしないよ。」

「…ユカリ……。」










そう優しく微笑んでくれたユカリ。



俺はそう小さく名前を呼んで
「ありがとう。」と優しく抱きしめた。









「まぁ、今はもうあいつとは仲良いし。
ユカリにも前に会わせたしな。」

「……え?」









俺がそう言うと


ユカリは不意に顔を上げて
え?と瞬きをして、俺を見上げる。








………え?









「前に会っただろ。覚えてねぇの?」

「え…嘘?!い、いつ?!
全然誰なのか分からないんだけど…!」









ユカリがそう言うので
俺は少し驚いて

彼女を見た。







…まさか



あいつが誰なのか、知らずに聞いてた?









俺はユカリを見下ろしながら
静かに告げる。









「…コウキだよ。
あの地下のレストラン•バーにいた。」

「……えぇ?!こ、コウキさん…?!」










そう




あの当時の空手部エースは

以前ユカリを連れて行った
地下のレストラン&バーの店員



俺の親友のコウキ。