晴れない気持ちの曇りに
私はため息を吐いていると、

授業が始まる。




…逢沢先輩といい、圭斗といい…




(何で2人とも怪しいの…!)




授業を受けながらも
私はそんなことを考えてしまい

全然集中できない。




-----ブー、ブー。





そんな時に携帯のバイブが鳴る。

圭斗からかなぁと思って開けば
案の定。






『今日も帰り迎えに行く。
それと、昨日言ってた先輩って奴にはあんま関わんな。』






(-----え…。)






圭斗からのメールの内容を読んで
私は思わず心の中でそう呟く。


昨日言ってた先輩って…逢沢先輩、だよね?


関わるなって……どうして?






(…まさか、嫉妬?)






いやいやいや…

だって結婚したし
圭斗も多少の人との交際は許容してくれてるし

こんなことだけで嫉妬なんて…。





---いや、でも







『…他の男の匂いがするな。』


『…拗ねてるだけ。』







なーんて
昨日は言ってたしなぁ…。





(……圭斗の考えがわからない…。)






と私は頭を悩ませる。


…まぁでも
逢沢先輩とそんなに関わる機会なんて
そんなにないだろうし

どっちにしろ心配する必要ないと思うけどさ。






(…っていうか)







圭斗って確か私と高校の出身同じだよね?


…ってことはもしかすると

逢沢先輩のこと知ってたりして…?




空手部の友達から
話聞いてたりしないのかな?


と色んなことを考えながら
授業を受けていたら

いつの間にか時間は過ぎて…






「…おいユカリ。
お前ボーッとしすぎや。」

「…え。」

「考え事で眉間にシワ寄りまくり。
終始先生睨んでたで。」






そう言ってハタが私のおでこに
デコピンを食らわせる。

痛っ…!とおでこを抑えれば

ケラケラとハタは笑いながら
私を見る。







「そんな顔じゃ旦那に心配されるで。」

「うっ…そんなにか…。」






そう言って眉間のシワをほぐすように
指の腹でグリグリする。


…やーっぱり何か


腑に落ちないなぁ。