結局あれから
その話題に触れることなく

次の日を迎えていた。






「…うーん。変な感じ。」

「ん?何が?」

「何か…圭斗絶対隠してる。」







大学の1限目が同じハタに
そう告げながら

私は机に突っ伏していた。





何の話でそんなことになったとか
そこまで詳しくは話してないけど

モヤモヤするってことだけ
ハタにご相談中。





…絶対空手に何か引っかかってるんだよなぁ…。







「何も言ってくれないから
こっちからは聞けないし…。」

「…待っとけって事なんやない?」

「え?」







ハタが少し考えてから
突っ伏している私にそう言う。




待っとけって…?






(…でも気になるよ…。)






多分言いづらいことなんだろうけど

私だってもうほぼ大人、だし

結婚だってしてる…のに






(頼れない奥さんなんて嫌だよ…。)







そう思うけど

彼なりの私への優しさなんだとも
分かっているから

余計に何も言えないんだけど。







「あ、そういや逢沢先輩が
お前のこと言ってたで。」

「え?私のこと?」







そんなことを考えながら
少々唸っていると

思い出したように
ハタが私にそう言う。




逢沢先輩が私のことをって…



何を言ってたんだろう?








「『ユカリちゃんって、可愛いね。』ってさ。」

「………へ?!」







は…






はい?!?!