「…そんで、そのサークルの先輩とやらはどんな人なの。」

「うーん…どんな人…。」








とは言ってもやはり気になるのか
逢沢先輩のことを尋ねてくる圭斗。




どんな人か…

今日初めて会ったからよく性格とかは分からないけど…







「なんか…圭斗みたいな人?」

「…は?俺?」

「うん。見た目厳ついけど、良い人だった。」

「…俺のことそんな風に思ってたのかよ。」







心外だな、と少し拗ねる圭斗に
初めて会った時はだよ!とフォローを続ける。


まぁ今も厳ついけど…。


と心の中で思いながらも
言わずに圭斗を見る。







「ハタの部活の先輩でね
テニスサークルの中でも1番ちゃんとした人みたい。」

「へぇ…。
あれ、秦山くんって何部だったっけ。」

「空手部だよ。」

「------空手…?」








(……? どうしたんだろう?)






私がハタが元空手部と告げると
圭斗は眉間にシワを寄せていた。


空手部が、どうかしたのかな…?








「うん、そうだよ?
それが…どうかした?」

「……いや、別に。」








そう言いながらも
何やら考えているようで

圭斗は眉間にシワを寄せたままだった。




(……?)





私は疑問を持ちつつも
それから返すことなく黙っていた。







「…そいつに俺のこと言った?」

「えっと…結婚してることは言ったよ。
あと名字が濱崎ってことと
私の3歳上ってことも知ってるけど…。」

「……そうか…。」







そう言えば
また考え込むように少し黙って

それからまた私に言う。








「何かあったら、絶対俺に言えよ。」

「え…?う、うん。もちろん。」






一体急にどうしたのかと思いながら
私は圭斗の言葉に頷く。




圭斗はそのままその話に触れず
いつも通りに戻った。






…どうしたんだろう?