しかし桐生くんに会ったのはあの時が初めてではなかったのだ。





桐生くんが転校してきた三日前くらいに、桐生くんはお母さんと一緒に家に挨拶をしに来たのだ。





人見知りな私はお母さんに促されてやっと挨拶ができる程度だった。





母の後ろに隠れながら挨拶をする私にも、桐生くんは笑顔で笑いかけてくれた。





「おう!よろしくな!」





それから同じクラスに転校してきて登校する班も同じになった。





転校してきて1ヶ月くらいしか経っていないのにもう桐生くんはクラスの輪の中心にいるような人物になっていた。