隣の家の桐生くん。

ジロリと睨みながら心の中でぶつぶつ呟いていると、桐生くんは観念したとばかりに首の後ろを掻いた。





「まあ双葉人ごみ嫌いだもんなあ。……じゃあ、ここから見るのはどう?」





え?と無意識に聞き返していた。その言葉の意味をすぐに理解することが出来なかったのだ。





「お祭りっていう雰囲気は味わえないけど、この窓で花火を見ることだって出来るじゃん?それならどうかな」





そこまでして私と花火が見たい理由が分からなかったが、さすがにこっちのわがままにも合わせてもらっているのでこれ以上首を振るのも少し嫌になってきた。





「あんたは、それでいいの?」





「まあ、祭りも楽しみだけど、最優先なのは双葉と花火を見ることだからさ。ここも静かで落ち着くし」