季節は春。
先月行われた中学校の入学式の緊張が
まるで嘘だったみたいにクラスは騒いでる
‥‥本当、朝からよく騒げるよ

『おはよー伶(れい)』

「ん?あ、りおん。」

『うん、りおんだけどさ?おはよって言われたら、おはよう でしょ』

「んー‥‥‥」

『‥‥‥いや、もういいわ』

見捨てられたよ‥‥。

ストレートな長い髪に
二重で少し茶色かかった目に、165cmの長身。
外顔も良くて‥‥あ、褒めてるんだよ
あと何て言ったって可愛い
それが石川りおん。
うちの親友
‥‥‥それに比べて‥‥

『あ、なあ。チビ』

‥‥‥はい、えーっと

「ぱどぅん?」

『とぼけんな、お前のこと』

はい、私 本郷伶(ほんごう れい)またの名を
ちびっと言います
りおんとは真逆の肉つき、性格、声‼︎‼︎

でもさ?でもさ?
聞きましたか、ほんと。
チビっですよ?
わたし、153cmですよ?
そんなチビですか?
お前が高いだけだろ!!っつって‥‥‥

『165cmて高いか?』

‥‥‥ここで高いって言ったら調子にのる
そして私のあだ名はフル回転をして、グレードアップするだろう‥‥

『いや、なんだよグレードアップって』

あーグレードアップぐらい分かれよ

『分かんねーよ』

そうか、わからんの‥‥‥か‥‥?
ん?

『全部声漏れてたけど、なに?』

「りおんさん今とても良い笑顔ですよ」

本当、可愛い顔が台無しなくらい

『それ最高の褒め言葉』

「あは‥‥」

コイツの笑顔こえー。

なんて話してたら朝の会まであと数分
りおんとは席が離れているから ここで。