【美咲side】

 マズい。


 このままだったら本当に佑香は記憶消去の手術を受けてしまうかもしれない。


 せっかく2人は両想いになれたのに!


 どうしよう…。


 いや、焦ってどうするんだ。


 1番悩んでるのは佑香なんだ。


 私が支えないと。


 あれ?


 呼吸ができない。




「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」





 この場に佑香がいなくてよかった。


 いたら絶対に自分を責めるから。


 ははっ。


 こんな状況でも佑香のこと考えちゃう。





「一宮さん!」




 私の意識はここで途切れた。