10年前...
ずっと一緒に遊んでいた男の子がいた。
目に障害をもつ私と遊んでくれる子なんか他にいなかった。
ずっと周りから障害というだけで後ろ指をさされ続けていた私には彼の存在は私の中でそれなりに大きかった。
いつも障害のことでからかわれ私はいつも泣いていた。
そして慰めてくれたのはいつも彼だった。
ある日私と彼はある約束をした。
その日、私はいつものように障害のことでからかわれ公園で泣いていた。
すると、いつものように彼が現れた。
「また泣いてるの?本当にさなちゃんは泣き虫だね」
「だってぇ…ヒック…」
「大丈夫だよ。今度泣かされたら僕に言って。僕が守ってあげる」
「何でゆいとくんは私に優しくしてくれるの?私は『しょうがいしゃ』なんだよ?」
「そんなの関係ないよ。僕はさなちゃんのこと好きだもん。」
「…ン…ヒック」
「だからね、君が泣いてたら助けてあげる。僕は君の味方だよ。
僕が君を守る。」
そして、その日を最後に私は彼と会うことはなかった。