「でも俺、芽依子ちゃんのコト好きじゃ…」



「それなら大丈夫です。おねーちゃんのこと好きなら、あたしのことも好きになれます。だってあたし達、同じ両親から産まれた姉妹ですから」



「いや、それは関係ないような…」



「大丈夫です。絶対、あたしのこと好きになりますから」



「いや…」



「だからあたしと付き合いましょ」



彼女から発せられるのは有無を言わせない百獣の王顔負けの威圧感。



「返事は?」



「いやっ…それ…は…」



「返事!!」



「……ハイ。ヨロコン…デ…」



「素敵♪」



そんな迫力に充てられた草食動物系の俺は、ガクガクブルブル震えながらコクリと頷くしかない。



この世はしょせん弱肉強食。



リアルにそれを悟った瞬間だった。