73億分の1の純粋な感情

自分で言ってショックを受けるなんて、我ながらイタすぎる。



でも今日だけはそんな自分を、空気をバツグンに読めてしまう残念すぎる自分を誉めてやりたい。



「諸君、会場準備は任せた!!」



「「「ラジャ!!」」」



幸せそうな2人を見ていられなくて瀬戸内トリオに向き直った俺は、ビシッと敬礼した。



「「いってらっしゃーい!!」」



「っ!」



でもどんなに目を背けても、視界をチラつく皇輝に抱きつく葉月の姿。



もう無理。泣き、そ…



「ん。行ってき…ます」



「気をつけてねー!!」



そして手を振る葉月に適当に手を振り返し、財布片手に逃げるように生徒会室を飛び出した俺は、階段の踊り場でピタリと歩みを止めると、クルリと踵を返し、上へと向かった。