「今日の先輩、プールの匂いがします」



「それは、さっきまでガッツリ背泳ぎしてましたから」



「……臭いです」



「うっ…」



せっかくの?ムードも、相変わらずの彼女の一言で台無し。



いつもの如く、彼女に変わって今度は俺が涙目になった。



「昨日、あたしも授業でプール入ったんですけど、あまりの塩素臭さに吐きそうになりました。先輩、生徒会長ならなんとかしてください」



「………それはプールの水を滅多に変えず、塩素ばっかり突っ込む体育教師に言ってクダサイ」



「先輩がなんとかしてください」



「無理デス」



「生徒会長の癖に…まったく使えませんね」



「……モウシワケゴザイマセン」



毒舌健在。絶好調。



彼女のことをうっかり可愛いなんて思ってしまったが、それはきっと気のせいだ。



今の彼女は本当に恐ろしい。