私の待受け。



「それ渡したし、帰るわ。」

ハーと盛大なため息をつき、帰りかけた本田の、

「待って!!」

ブレザーの袖を掴んでそう言っていた。


本田は一瞬驚いたけど、すぐに不機嫌な顔に変わって、

「だから、お前は待受けにするくらい北川が好きなんだろ!!昨日だって仲良くお喋りしてたろ。」

いつも感情的にならない本田が声を荒らげているのは珍しくて、思わず笑ってしまった。


「なんだよ、お前が聞くから答えたんだろ…。」

ハーとまた、ため息をつくと本田の視線は掴まれたままの右腕の袖を見つめていた。