今私の頭には、蒼斗の事しかなかった。芹香の事も、聖君の事も。



何もかも、周りの事なんて。知らないの。見て、なかったの。



芹香がこっちを不思議そうな顔で見ているのも。



聖君が席に戻りながら、僕にしなよ、と呟いているのも。



何もかも……何も、かも………