遠い目をしている雪を、悲しそうな顔をしている雪を、これ以上見てられなかった。
でも、今雪を一人にしたら、雪が壊れてしまいそうで……。
柱の陰に立って、雪の様子を伺った。
そしたら、雪がーーー
ーーー「好きだよぉ…っ…」って、辛そうに、悲しそうに呟いた。
その言葉が、頭から離れてくれない。
『好きだよ』
ーーーなら、どうして別れようなんて
雪の考えてる事が分からない。だけど、儚くて今にも壊れそうな雪を、抱きしめたくなって、柱の陰から出た。
だけど、そこで俺の足は動かなくなった。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…