ーーー実際、それは違ったんだけど。



それを知るのは、もう少し後ーーー



「別に良いけど」



俺が言ったのはたったそれだけ。何てあっけないんだろう。



俺らが繋ぎ止めていた細く千切れかけの糸が、切れた瞬間だった。



ん?俺は、別に雪の事好きじゃないぞ?



だけど、何でた……。『別に良いけど』そう言った時に見せた、雪のあの表情。



それを見て、胸が苦しくなった。締め付けられて、痛い。今にも壊れそう。



いつの間にか周りの皆はいなくなっていた。