別れれば、この関係を絶てば、辛い気持ちとおさらば出来ると思っていたのに。



出来る、はずなのに……。



「……何で、こんなにも苦しいのよぉ……っ……」



その呟きを拾う者は、いなかった。



蒼斗も、その周りの皆も。既にこの場を去っていた。



その事にも気づかない程、雪は心を締め付けられていたんだ。



チャイムが鳴るまでの数分間。雪は、泣いた。涙が枯れても、心で泣いていた。



「……好き…っ…だよぉ……」



ずっと、そう呟きながら。