何、今更迷ってんのよ。



ﾌﾞﾝﾌﾞﾝｯと頭を痛いくらいに振って、こちらを見て不思議そうにしている蒼斗に向き直る。



周りの目なんか気にならない。今私の頭の中にあるのは、“蒼斗に別れを告げる”



ただ、それだけ……それだけなんだから。



「……雪？」



真顔で名を呼ぶ蒼斗。あぁ、好きだなぁ。手放したく、ないよ……。



でも、決めたんだから。言わなきゃ。



そう思ってるのに、言葉が出ない。



私は、臆病だから。だから、言えないんだね。