私はクラスの中で目立たない…いないものとされている…というか認識されない。
昔っから影が薄くて友達もできない。
松山愛叶(まつやままなか)私の名前だ。
悲しいことに私は名前で呼ばれたことがない担任でさえも認識出来ないほど影が薄い嫌?これはいじめか?集団いじめなのか?
そんな疑問を頭の中でぐるぐると回らせて私は教室に出た。

「はぁ、愛叶って愛を叶えるって意味なんだけど全然かなってないじゃん!」

独りごとを言っても誰も気付いてはくれない。
まさか、これは私の幻想?幻覚なのかもしれない…みんなはホントはいなくて私一人だけ廃墟の学校で授業受けてるとか?
ありえない!!そんなことあるか!!

「私は邪魔者?」

だから無視されるの?おかしい話私が何をしたっていうの?

気がついたら屋上にいた…。このまま授業サボっちゃおうかな?誰にも認識されないんだったらいいじゃん?そのくらい。

ここで歌でも歌って気分を晴らそう。

「~~~~~~~~♪♪」

今はやりのボーカロイドの曲をウォークマンで流して、歌い始めた。
私は歌がうまいほうだ、カラオケに行ったらいつも九十点!いいだろ?

「私なんかいない方がいいよね…」

私は曲を歌っていたのだかその曲が私と同じような感じでそう思ってまう。でもこの曲はハッピーエンド。でも私の終りは、バッドエンドか…それか…オワラナイ。

「悲しい結末なんてやだな」

私はウォークマンを持ち、曲を止めた。
こんなんじゃ気分は晴れない…教室に戻るかそれか帰るか。
帰っても私を待ってくれる人はお母さんしかいない…お母さんに心配かけるわけにはいかない。

このまま屋上にいよう…。
ちょっとは気が楽になるだろう。

「おう!お前もさぼり?」

「ふぇ!!」

人に話しかけられるのは久しぶりだったので変な声が出てしまった。

「あぁ、おどかして悪い。俺は来宮凪斗(きのみやなぎと)」

その人はニコッと微笑みこういった。

「来て欲しいところがあるんだ…愛叶さん」

初めて名前を呼んでくれた…。その嬉しさに私はぴょこぴょことはねて凪斗さんの手を握った。

「私の名前、知ってるんだ!!」

「そりゃあ、クラスメイトだから」

嬉しすぎて倒れてしまいそう。


行きたいところってどこだろう?
私は凪との後について行った。