響さんの憎まれ口にホッと胸を撫で下ろすも、今日1日の事を考えると不安要素しかないことに気づく。

そもそも響さんの隣にずっといなければいけないという事は今の私にはとても厳しい条件で。
” あの事 ” があるまではそんなことどうとも思っていなかったのに、こうして意識してしまう私はやっぱり乙女なのだ。

‥‥‥ そんな事を口にした日には響さんに盛大に馬鹿にされるので絶対に悟られないようにしよう。


チラッと隣を見ればやっぱり響さんはいつもの響さんで、通りを通る女の子やカップルを何も言わず眺めては不機嫌な顔をしている。


そんないつもの響さんに何故か無性にイラっとした。私は響さんの行動一つでこんなにも振り回わされているのに何故この人はいつも通りなのだろう。そう考えれば考えるほど腹がたつので 「 響さんの無神経 」と出来るだけ小さな声で罵っておいた。