ついた場所はbitterからさほど遠くない高層マンション。
都会の真ん中らしいお洒落なデザインにセキュリティを兼ね揃えたいかにも高級な物件だ。

「 あの‥‥なにを‥? 」

「 残業 」

「 え!? 聞いてないんですけど!? 」

「 私だって忙しいんですよ 」 と口を尖らせて抗議してみるも、「 ろくに勉強もしてない大学生が文句言うな 」と一喝された。

そうなんです。私、大学二回生になったばかりの女子大生です。

「 っ! ‥‥浪人は間逃れましたけど 」

「 んなもん当たり前だ 」


ほぼ毎日といっていいほどbitterにいる私なので、成績がたいしてよくないのは響さんにもお見通しなよう。

「 ‥‥忙しい大学生を捕まえて何の残業ですか 」