そして不機嫌そうな響さんの横で私はいつもの疑問が頭に浮かぶ。

なぜこの人はパティシエをやっているんだろう、と。

みなさんもそう思いませんか?
いくら才能があるからと言って、甘い物も人も嫌いで誰かの為に何かをしたいという気持ちすら持ち合わせていない響さんが何を思って ” bitter ” を開いたんだろう?
それがここ最近で一番の疑問です。


「 何見てんだよ 」

まぁ確かにお店はいつも清潔感で溢れているし、スイーツ作りに関しては拘りを持っている。
” 仕事 ” という面では非の打ち所がないと思う。

けど、全く楽しそうに見えない。むしろ、完璧な反面なぜそんなにもダルそうなんだと突っ込みたくなるぐらいだ。

「 いえ‥‥なにも? 」

「 目が泳いでるけど 」

「 元からです 」

「 お前は金魚か 」