ビターな洋菓子店



数時間前の自分に後悔しつつ、でもやっぱりどうにかしてあげたいと心の中で葛藤する。
みんなにbitterを好きになって欲しい。そして、沢山の人の元へ響さんのスイーツ達を届けたい。そう考えだしたら胸の奥が苦しくなった。


「 勝手な事してごめんなさい‥‥ 」

「 反省するなら最初から言うな 」

「 でもっ、どうにか‥‥ だってっ‥ 」

「 何でお前が泣いてんの 」

「 だって、だって‥‥ 響さんの作るの、‥わたっわたし‥‥好きでっ‥‥! 」

「 ‥‥はいはい。知ってる知ってる 」

「 だから、あの子にもっ喜んで、‥‥甘いのが嫌いな人にもおいしー‥っよ、って! 」


響さんが苦手だって知ってる女々しさ全開で気持ちを伝えれば、「 ‥‥はぁ 」と小さなため息が静かな厨房には大きすぎるぐらいに響く。