いつもと同じマニュアル通りの接客に、ニコリともしないいつもの店員。
初めてのお客さんはいつもこう言う、

『 いろいろ選びたかったけど怖くて‥‥ 』と。


けど、そんな無愛想な態度を一切崩さない店員に隠れファンな常連さんも少なくないのが事実。

それもそうだ。
胸元が少しはだけたワイシャツは男の人なのにとても色気があり、スラリと伸びた長い足にはあなたの為に作られたものですかと言わんばかりにフィットした黒いパンツ。

髪は少し無造作な茶髪で前髪を軽く流しては、綺麗な瞳が女性を射抜く。

たまに噂を聞いたモデルのスカウトも来店するぐらいの美貌だ。


「 1200円です 」

「 あ、‥‥はい 」

「 ありがとうございました 」

けど、あくまでも良いのは容姿だけ。