「そっか。舞梨奈はさ、昔からミルクティーが好きで、俺の実家が経営してるカフェのミルクティーをいつも頼むんだ。"飽きないの?"って聞いても"全然!ほんと美味しいんだもん"って笑顔で言うんだ。」
涼也は笑顔で言った。
「ほんと!?恥ずかしいけど、なんかおもしろい。」
私も笑顔で言った。
「次、会いに行く時、持ってくるよ。」
「やった。ありがとう。」
「うん。」
それから涼也といっぱい話した。
記憶喪失になってから涼也と会うの初めてなのに、なんだか初めてじゃないような気がした。
そして数日後にはまたリハビリが始まり、少しだけ歩けるようになった私。
大学の合間に時々自主練に付き合ってくれる涼也。
こんなに優しい彼氏に対して、私の記憶が戻らないことがほんとに申し訳なかった。
深夜。
私は夢の中。
犯人らしき男に刃物を向けられている私。
