そして、私が昏睡してから10日が経った。
麻衣さんは私の様子を見に来ていた。
その気配で私はそっと目を開く。
「舞梨奈ちゃん!」
麻衣さんが私の顔を見て、呼び掛けている。
「私のこと分かる?」
麻衣さんが聞く。
「誰…?」
「え…。舞梨奈ちゃん。私のこと分からない?」
私はうなずく。
そう私は記憶喪失になってしまった。
スタッフステーション。
「大変です!舞梨奈ちゃんが!」
「舞梨奈ちゃんがどうかしたか?」
藤沢先生が聞く。
「舞梨奈ちゃん、記憶喪失です。」
「「え!?」」
スタッフステーションにいた藤沢先生と水野先生が驚いた。
病室。
「自分の名前は?」
水野先生が聞く。
「小川舞梨奈。」
「ここはどこだか分かる?」
「桜木総合病院。」
それからいろいろ質問されたけれど、自分の名前、今いる場所、日付しか分からない。
