涼也だ…。
涼也が私に謝ってる…?
涼也の声は、なんだかどこか弱々しいような気がした。
私は、涼也が"目を覚まして"と言った後からまた意識は遠退いた。
涼也は、ICUを出て、近くにある椅子に座った途端に、こらえていた涙が一気に溢れた。
人前では絶対に涙を流さない涼也も、さすがに全身の力が抜けていた。
その夜。
お兄ちゃんは家のベランダに寄りかかっていた
。
私の意識が戻るのを祈るお兄ちゃん。
今にも涙を流しそうな、どこか辛そうな瞳で星を見つめている。
2日後。
私の呼吸が安定し、藤沢先生の指示で人工呼吸器が外れることになった。
呼吸は安定しても、私の意識は一向に戻らないまま。
琴音さんは私が病室に何日もいないことに気づいた。
「あの、舞梨奈ちゃんどうかされたんですか?ここ何日か見かけてなくて、病室に行ってもいないから心配してて。」
琴音さんが麻衣さんに聞いた。
