「そんな。」
麻衣さんが言った。
「じゃあ、一体どうしてインスリンが舞梨奈ちゃんの点滴の中に入ってたんですかね…?」
主任さんが言った。
「誰かが意図的に混入させたとは考えられませんか?」
上重先生が藤沢に聞いた。
「変なこと言うのやめてくださいよ。」
水野先生が言った。
「いや、その可能性も否定できないかもな。」
藤沢先生が言った。
「え…。」
橋本先生が驚く。
「昨日も今朝も急患が多くてバタバタしてたし誰かがその隙にってこともあり得るだろう。」
誰かが意図的にインスリンを混入させた可能性があることに、誰もがみんなを疑っていた。
深夜。
私の個室では、麻衣さんが私の状態を見に来ていた。
すると、主任さんも来た。
「主任。」
主任さんは微笑んだ。
「舞梨奈ちゃんきっと良くなるわよ…。
あなた、ここ何日か、ろくに休んでないんでしょ。今日はもう休んで、明日朝元気な姿で舞梨奈ちゃんに顔を合わしなさい。舞梨奈ちゃんは、私が責任を持ってしっかりケアするから。」
