「藤沢先生、まさか。」
橋本先生も気づいた。
「あぁ、インスリンの可能性が高い。」
藤沢先生が言った。
「インスリン...!?」
麻衣さんも驚く。
「何らかの理由で舞梨奈ちゃんの体内にインスリンが過剰摂取されたのかもな。」
藤沢先生は予測する。
「水野と橋本は、糖液の投与とカリウムのほせいを頼む。」
藤沢先生が指示する。
「「はい!」」
「高木は引き続き、モニターの管理に注意してくれ。」
「分かりました。」
麻衣さんはうなずいた。
しばらくして、医局内で救命スタッフによる緊急カンファレンスが行われた。
「点滴からインスリンが検出されたってどういうことですか!?」
水野先生が目を丸くして言った。
「薬の取り違えかもしれないと思って、点滴の中に残っていたわずかな液を調べてもらったんだ。そしたら、多量のインスリンが検出されたそうだ。でも、薬の取り違えにしてはインスリンの量が多すぎるからその可能性は低いとも言っていた。」
