数十分後。
私は病室で点滴をしながら、本を読んでいた。
コンコン。
「はい。」
いつものように、涼也が来てくれた。
「おはよう。」
涼也が笑顔で言う。
「涼也、おはよう。」
「昨日来れなくてごめんね。」
「ううん!そんなこと気にしないで。」
「舞梨奈が欲しいって言ってたミルクティー買った来たよ。」
「ありがとう!」
私は笑顔になった。
「舞梨奈ほんっとこれ好きだよな。」
「うん!美味しいもん。」
私と会話をしながら、涼也はイスへ座ろうとしたとき、ちょうど涼也の左手首に包帯が見えた。
「涼也、それどうしたの?」
「あーこれ、なんでもないよ。」
涼也は私が心配すると思って本当のことが言えなかったのかな…?
「なんでもなかったら、包帯なんかしないよ。」
「そうだよな。分かった。ちゃんと話すね。」
涼也はそう言って、さっきのことを話してくれた。
「大丈夫なの?」
「あぁ、大したことないよ。大丈夫!」
涼也はそう言った。
